ヨシオカ トシハル
Toshiharu Yoshioka
吉岡 敏治 所属 森ノ宮医療大学大学院 保健医療学研究科 保健医療学専攻 森ノ宮医療大学大学院 保健医療学研究科 医療科学専攻 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 1994/04 |
形態種別 | 学術研究論文 |
標題 | A型肝炎に伴う腎障害の発症要因に関する検討 |
執筆形態 | 共著 |
掲載誌名 | 日本救急医学会雑誌 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | 5(2),129-136頁 |
著者・共著者 | 共著者:岡本 健、 鴻野公伸、 吉岡敏治、 杉本 侃 |
概要 | A型肝炎に伴う腎障害の発症には,B型肝と炎同様に免疫複合体の関与が想定されているが,いまだ明らかではない。A型肝炎の経過中に腎不全の基準を満たした6例を対象に、prospectiveに臨床的,組織学的および免疫学的検討を行った。経過中、2例に血漿交換が施行され、4例には血液透析の施行を一定期間必要としたが、各症例とも肝機能は急速に正常化し、腎機能も来院から1ヵ月以内にほぼ回復した。第12~38病日(平均第24.2病日)に施行された腎生検では、糸球体変化はきわめて軽度であり、PAMおよびPAS染色法にても係蹄の肥厚はまったく認められないのに対し、尿細管の変化は著明で、急性尿細管壊死またはその回復所見が観察された。また、免疫複合体は全例陰性で、明らかな補体低下を来した症例もなく、蛍光抗体法によっても免疫グロブリンや補体の腎組織への沈着も認められず、免疫複合体の関与は証明し得なかった。腎機能の急激な増悪と速やかな回復という臨床経過と組織学的および免疫学的所見より、腎障害は尿細管壊死による可逆的な急性腎不全であったと結論した。
本人担当分:研究計画、データの採取、論文作成補助 |